今朝の新聞に、「エネ計画検討委脱原発派を交代」という見出しで、「
経済産業省は
エネルギー基本計画をまとめる有識者会議を一新し、民主党政権時代に「脱原発」
を主張してきた有識者を入れ替える。民主党政権は『2030年に原発稼働ゼロを目指す』
という方針を基本計画に盛り込もうとしていたが、安倍政権はこれを白紙にもどす」
とあります。
やっぱりね。早くもその流れですか。権力を握った人間が自分たちの都合の良いように
組織や人間を入れ替えるのは、かくも簡単なことなのですね。
思い起こせば、こういうことは、2009年の横浜市の教育委員が、全国に先駆けて内容の
偏った、誤記の多い中学校の歴史教科書を無理やり選んだ暴挙で、いやというほど思い
知らされました。
この欄(11/18)にも書いたけれど、世界でも有数の地震国日本に原発はいらない。もっと
安全な他のエネルギーを開発すべきでは。核燃料廃棄物の処理についても確たる考えが
ないまま、また新たに原発を作ろうというのだろうか。仮にフィンランドのようなオンカロと
いう原発による核燃料廃棄物の処理場(長さ5km、深さ437m)を作ったとしても、地震が
くればもともこもない。 廃棄物の無害化には10万年もかかるというのに。
以前のホームページに書いた関連記事を追加しましたので、読んでくださいませ。
原発その3 〈2012.4.30記)
世の中はGWで、どこも人の群れ。昨日も用事で横浜駅周辺に行ったら、いつもの倍位の人が
行きかっていました。
ところで昨日今日とテレビで偶然原発関係の番組に出くわしました。ひとつは昨夜の「らららクラ
シック」の後の「世界から見た福島原発事故」、もう一つは今朝の朝ドラのあとの「子供たちへ
時任三郎世界電気の旅」
「世界から見た福島原発事故」では、現在104基の原発を所有し、この2月に4年ぶりに新たな
2基の建設を許可したアメリカと、現在国内の電力の4割を原発に頼っているが、2034年まで
に原発を段階的に廃止することを決めたスイスの話でした。
アメリカでは、原子力規制委員会の5人のメンバーのうち。ヤツコさん以外の4人が賛成し、
新たに 建設が決定、これからは原発による電力の輸出にも力をいれるとのこと。一方スイス
では、100% 安全な原発はないし、問題を次の世代に先送りしてはいけないという事で日本
の福島の事故以降大幅な変更をしたのです。「スイスは日本のように大きな国でないので、
一度大きな事故があれば 国は壊れてしまう」と。日本が大きな国とは、ちょっと意外な発言
でしたけどね。
もうひとつの「子供たちへ・・・」の方は、皆に見てほしいとても良い企画の番組でした。内容は
2022年に原発の全面廃止を決めたドイツと、2050年までに国全体の電力を自然エネルギー
に転換することにしたデンマーク。最後に国内電力の1/4を原発に頼っていて、現在世界最大
のオンカロという原発による核燃料廃棄物の処理場(長さ5km、深さ437m)を建設中の
フィンランドの話。
ドイツでは、今の日本と同じく、長く電力供給を独占企業に頼っていたけれど、チェルノブイリの
事故以後、「子供たちの未来のために」というあちこちからの小さな運動が実を結び26年経った
今では、100社以上の電力会社があり、自分たちで電力会社を選ぶ事が、あたりまえになって
いるとか。日本の実情とは大違いですね。(やはりチェルノブイリの事故は日本にとっては
他人事と思っていたのでしょう。でも、でもフクシマの場合はそうはいかない)
デンマークでは40年前(1972年ごろ)原発計画を公表し、1975年には推進派と反対派が
それぞれ、色んな問題について紙面の半分づつ公平に意見を公表。1978年には大きな
反対運動があり、1985年に原発は作らないと決めたのだそうだ。今は風力、太陽光など
自然エネルギーが中心、一部スエーデンなどの原発からの電力輸入などもあると言う。
この番組の中で一番印象的だったのは、フィンランドの話。現在フィンランドにある4基の原発の
うち2基はオルキルオトという所にあり、現在そこに3基めの原発を2014年に建設予定との
事だが、感心したのは、原発と同じ敷地内にその電力会社の本社があるらしい。日本とは
またまた大違いですね。
また今回初めて知った、フィンランド語で「隠し場所」という意味の2020年以降使用するため
現在建設中のオンカロという核燃料廃棄物処理場のことだけれど、ここに120年分の廃棄物を
埋める計画だそうだ。そしてその廃棄物が無害化するのに何と10万年以上かかるというのだ。
現在日本では青森の6カ所村に集められてはいるが、最終の処理場については決まっても
いない。
番組ナビゲーターの時任君が「ここまでしないとダメな物を人間は作ってしまったのですね」と
つぶやいていたけれど、その言葉は重い。特に地震大国の日本で、こういう処理場を作った
としても、未来の子供たちの安全を守れる保証は何もない。やはり日本では、原発は廃止する
方向で考えた方が良いと私は思います。